
『CLANNAD』とは
概要
2004年4月28日にKEYから発売された恋愛アドベンチャーゲーム。人と人との「絆」をテーマに描かれた秀逸なシナリオがファンの心をつかみ、大ヒット。その後アニメ化され、「CLANNAD」が2007年10月から2008年3月まで、「CLANNAD~AFTER STORY~」が2008年10月から2009年3月まで放送された。
あらすじ
学校で不良と言われている岡崎 朋也はいつものように気だるげに学校へと続く坂道を歩いていた。そこで一人立ち止まっている渚を見つける。思いつめた表情をして何やら独り言を言っている渚に朋也は声をかけた。この出会いから二人は長い、長い坂道を登り始める。
キャラ紹介
岡崎 朋也(おかざき ともや)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
本作の主人公。遅刻の常習犯、授業中の居眠りなど周囲からは不良としてみられ、距離をおかれている。学校では常に友人の春原と行動を共にしている。中学時代はバスケ部に所属しており、高校もバスケの特待生で入学したが、父との喧嘩で右肩を負傷し、右肩が上がらなくなってしまったため、部活動には所属していない。母が幼い頃に亡くなり、父と二人で暮らしているものの、あまりうまくいっていない。イケメン。
古河 渚(ふるかわ なぎさ)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
本作のメインヒロイン。幼少期から病弱で高校3年時に病気のため長期休学しており留年。年齢は朋也より1つ上。人見知りが激しく、なかなか友達を作れないでいたが、朋也と出会ったことにより友達ができる。演劇に興味があり、廃部状態だった演劇部の再興を仲間と共に目指す。2本のアホ毛がトレードマーク。
藤林 杏(ふじばやし きょう)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
勝ち気な性格でスポーツ万能。藤林椋の双子の姉で妹想い。不良と言われ周りから煙たがられている朋也や春原とも普通に会話をする。委員長をやっているが、授業をサボったり、禁止されているバイク通学をしたりする一面もある。朋也のことが気になっているが、妹の椋も朋也に好意を抱いているため、気持ちを出さないようにしている。
一ノ瀬 ことみ(いちのせ ことみ)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
両親が世界的に有名な理論物理学者で全国トップレベルの頭脳を持つ天才。頭が良すぎるため授業の欠席が認められており、主に図書室で勉強している(本を読んでいる)。非常に浮世離れした性格をしており、朋也や杏からよくツッコまれている。ヴァイオリンが趣味だが、その実力はジャイアンの歌声に匹敵するほどひどい。
坂上 智代(さかがみ ともよ)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
成績優秀、スポーツ万能の文武両道で高校2年生の春に転校してきた1つ下の後輩。めちゃくちゃ喧嘩が強く、よく不良をこらしめている。正義感が強く、遅刻の常習犯である朋也や春原をほおっておけず、朝迎えにいくことがある。ある出来事がきっかけで、桜並木の伐採計画を撤回させるために生徒会長を目指している。
伊吹 風子(いぶき ふうこ)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
突然学校に現れた謎の少女。見た目は小学生にしか見えず、言動も幼い。ヒトデに対する愛が尋常ではなく、可愛いものを見ると思考停止する。マイペースで話をするために会話がかみ合わないことが多く、よくツッコまれる。「最悪です」が口癖。
春原 陽平(すのはら ようへい)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
朋也の唯一の友達であり悪友。サッカー推薦で入学したが、先輩と折り合いが悪く問題を起こして退部。その後は朋也と共に自堕落な生活を送っている。お調子者、バカ、ヘタレ、チャラいとネタ要素満載のキャラクターでことあるごとに揉め事を起こしている。顔は悪くないが、中身が残念すぎるため全くモテない。性格が災いし、よく杏や智代から殴られている。
藤林 椋(ふじばやし りょう)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
杏の双子の妹で朋也と同じクラスの委員長。杏とは正反対の性格で引っ込み思案でおとなしい。占いが好きでその話題の時だけは積極的になる。朋也に好意を寄せているが、おとなしい性格ゆえに杏の協力がないとなかなか朋也と話す機会がない。
古河 秋生(ふるかわ あきお)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
渚の父親で古河パンを経営しており、ヘビースモーカーで常にタバコをくわえている。口は悪いが、家族思いで優しい性格。野球が大好きで近所の子供たちとよく野球をやっている。①早苗が焼いたパンをイジる→②泣かれる→③追いかけるの流れを毎度繰り返す。元演劇役者。
古河 早苗(ふるかわ さなえ)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
渚の母親で秋生と共に古河パンを経営している。渚の姉にしか見えないほど見た目が若く、泣き虫だが、ここぞの時は頼りになる。料理はうまいが、パンを作るセンスが破滅的で毎度売れ残ってしまう。本人としては自信があるのでパンをイジられると泣きながら出て行ってしまう。元教師。
岡崎 汐(おかざき うしお)

(画像の引用元:CLANNAD公式サイト)
「CLANNAD~AFTER STORY~」から登場する朋也と渚の娘。見た目は渚と似ているが、性格は明るく元気で活発。早苗のことは「早苗さん」と呼び、秋生のことは「アッキー」と呼ぶ。
「CLANNADは人生」という言葉はどのように生まれた?
概要
元々はネット上のやり取りから生まれた言葉とされている。KEYの作品は18禁ゲームが多く、『CLANNAD』も18禁ゲームと勘違いされることが多かった。原作ファンが『CLANNAD』は18禁ではないということを説明する際のやりとりが「CLANNADは人生」誕生につながった。
ネット上でのやりとり
最初はネタ的な使い方をされていたが、『CLANNAD』が喜怒哀楽あり、山あり谷ありの物語であることから「主人公の人生をうまく描写できている素晴らしい作品だ」と好意的に捉えられるようになり、作品の評価を一言で表すために「CLANNAD(という作品)は(主人公の)人生(を描いている)」が使われるようになった。
これを機に『Fateは文学』『狼と香辛料は経済』『AIRは芸術』などの言葉が生まれるようになった。
『CLANNAD』の魅力
シリアスな要素を盛り込んだシナリオ
『CLANNAD』の魅力は人と人との「絆」に関する描写のうまさにある。一見、王道的な学園恋愛ストーリーに思えるが、家庭問題、出産、大切な人との死別、育児放棄などシリアスな要素も含みながら物語は展開する。また主人公である朋也の喜怒哀楽の感情がシチュエーションごとにしっかりと描かれており、視聴者は回を追うごとに喜び、怒り、絶望、笑いと感情移入させられる。
とにかく泣ける
KEY作品は「泣き」シーンが多いことが特徴であるが、『CLANNAD』は特に「泣き」シーンが多い。しかもいわゆる”お涙頂戴”というわざとらしい演出はなく、リアルな演出が視聴者の涙を誘う。
テーマ別泣けるシーン(ネタバレ含む)
テーマ1:大切な人への愛
渚へのプロポーズ
高校を卒業してからしばらくプー太郎をしていた朋也だが、なんとか就職し、真面目に働き、昇進の話がくるまでになった。しかし、そんな時に父親が危ない取引を行っていたために逮捕されてしまう。それにより昇進は破談、周りから「犯罪者の息子」というレッテルを貼られることになり、自暴自棄になる。そんな絶望的な状況の中、そばにいてくれた渚。もうこの人しかいないと朋也は渚にプロポーズをする。
テーマ2:大切な人との死別
妊娠、出産、渚死去
渚と結婚してからしばらく幸せな日々が続いた。ある日渚の妊娠が発覚し、朋也は喜ぶ。しかし心の中で「本当にオレと出会って幸せなのだろうか」という不安を抱くようになる。出産当日は大雪のため交通機関が使えず、やむをえず自宅出産となる。難産となり、渚は無事汐を出産するも、すべての力を使い切った出産だったため朋也の手を取りながら息絶えてしまう。
テーマ3:父と娘の絆
育児放棄をしていた朋也が娘との旅行を機に父として立ち直る
渚が亡くなってからの5年間、朋也は生ける屍のごとく過ごしていた。体が覚えていることを繰り返して、プライベートはただ時間を潰すだけ。汐も渚の実家に預けたままで、ろくに顔も合わせなかった。それを見かねた早苗はある日家族旅行を計画する。当日、朋也が渚の実家を訪れると、そこには汐しかいなかった。しぶしぶ汐と二人で旅行に行くことになり、目的地にたどり着くと、そこには父方の祖母がいた。祖母から父の生い立ちを聞かされ、妻に先立たれたという同じ境遇でありながら、父は自分を育てたが、自分は現実から逃げていると自分の弱さを恥じた。その後、汐のもとへと駆け寄り、初めて父として娘を抱きしめるのだった。
テーマ4:悲しみを乗り越える
今まで汐は母である渚の話を聞いたことがなかったが、朋也の口から渚について語られる
父と娘の絆を確かめた旅行の帰りに、朋也は汐に母(渚)がどんな人だったかを語る。今まで渚の死を受け入れられなかった朋也だが、今後前に進むには、どうしても乗り越えなければならないこと。話の途中で息を詰まらせるが、汐の手を握り渚の死を受け入れ、父として娘を守っていくことを誓ったのだった。
テーマ5:父と息子の絆
今まで自分を育ててくれた父に感謝し、和解する
ずっと父との関係が悪かった朋也だが、自分が同じ境遇になり、初めて父の辛さを理解する。現実から逃げずに自分を育ててくれた父のもとを訪れ、感謝の気持ちを伝えて、祖母が暮らす家に帰るよう促す。準備を終えて父を送り出す際に、朋也は自分を育ててくれた恩を返すことを誓う。
まとめ
ここまで人と人との「絆」を深く追求し、感情を揺さぶられる作品はあるだろうか。鑑賞後には深い溜息をはいて「終わった…」と一人の長い人生を見届けたたような感覚になり、まさしく「CLANNADは人生」という言葉がピッタリと当てはまる内容である。まだ観たことがない人は、この機会に是非『CLANNAD』を堪能してほしい。
『CLANNAD』
『CLANNAD~AFTER STORY~』

EMO CUBE編集部

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